○荒川区公契約条例

令和8年3月19日

条例第2号

(目的)

第1条 この条例は、荒川区(以下「区」という。)における公契約に関し、基本方針を定め、区及び受注者の責務を明らかにするとともに、公契約の締結において必要な事項を定めることにより、公契約に係る入札、契約等の適正化及び優れた人材を確保することができる労働者等の適正な労働環境の整備を推進し、公契約の適正な履行及び良好な品質の確保を図り、もって区民の福祉の増進、地域経済の活性化及び持続可能な社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 公契約 区が締結する請負契約、委託契約及び地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項の指定管理者(以下「指定管理者」という。)と締結する公の施設の管理に関する協定(以下「指定管理協定」という。)をいう。

(2) 受注者 区と公契約を締結する者をいう。

(3) 受注関係者 次に掲げる者をいう。

 区以外の者から公契約に係る業務の一部を請け負い、又は受託する者(次号イに掲げる者を除く。)

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)の規定に基づき、受注者又はに掲げる者に公契約に係る業務に従事する労働者を派遣する者

(4) 労働者等 次に掲げる者をいう。

 受注者又は受注関係者に雇用され、専ら公契約に係る業務に従事する労働基準法(昭和22年法律第49号)第9条の労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)

 受注者又は受注関係者との契約により公契約に係る業務の一部を請け負い、又は受託する者であって、当該業務を他の者を使用しないで行うもの

(5) 労働報酬 公契約に係る業務の対価で、次に掲げるものをいう。ただし、第6条第1項第2号及び第3号に掲げる公契約にあっては、最低賃金法(昭和34年法律第137号)第4条第3項各号に掲げる賃金を除く。

 前号アに掲げる者がその者を雇用する受注者又は受注関係者から得る賃金

 前号イに掲げる者が同号イの契約により得る収入

(基本方針)

第3条 区における公契約に係る基本方針は、次のとおりとする。

(1) 手続の透明性を確保し、公正な競争を促進すること。

(2) 談合その他の不正行為を排除すること。

(3) 労働者等の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備を図ること。

(4) 区内の事業者の受注の機会を確保するよう努めること。

(5) 適正な履行及び良好な品質を確保すること。

(区の責務)

第4条 区は、前条の基本方針にのっとり、公契約に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。

(受注者の責務)

第5条 受注者は、公契約を締結した者としての社会的な責任を自覚し、法令等を遵守するとともに、前条の施策に協力するよう努めなければならない。

2 受注者は、労働者等の適正な労働条件の確保その他の労働環境の整備に努めなければならない。

(適用範囲)

第6条 次条から第13条までの規定は、公契約のうち次に掲げるものについて適用する。

(1) 工事又は製造の請負契約でその予定価格が1億円以上のもの

(2) 工事又は製造以外の請負契約及び委託契約のうちその予定価格が1,000万円以上のものであって、荒川区規則(以下「規則」という。)で定めるもの

(3) 指定管理協定(規則で定めるものを除く。)

2 前項の規定は、公契約の受注者が国、地方公共団体その他規則で定める者である場合については、適用しない。

(労働者等の労働報酬)

第7条 区は、公契約において、その受注者及び受注関係者が労働者等(最低賃金法第7条の労働者を除く。次条第1項において同じ。)に対し、労働報酬の下限として区長が定める額(以下「労働報酬下限額」という。)以上の額の労働報酬を支払わなければならないことを約定するものとする。

2 労働報酬下限額は、時間によって定めるものとする。

3 労働報酬が時間以外の期間又は出来高払制その他の請負制によって定められている場合における当該労働報酬の換算方法は、規則で定める。

(労働報酬下限額の決定等)

第8条 区長は、次の各号に掲げる労働者等の区分に応じ、当該各号に定めるものその他の事情を勘案して、労働報酬下限額を定めるものとする。

(1) 第6条第1項第1号に掲げる公契約に係る業務に従事する労働者等 農林水産省及び国土交通省が決定する公共工事の工事費の積算に用いるための労務の単価

(2) 第6条第1項第2号又は第3号に掲げる公契約に係る業務に従事する労働者等 最低賃金法第9条第1項の地域別最低賃金及び職員の給与に関する条例(昭和33年荒川区条例第4号)第5条第1項第1号イの行政職給料表(二)に定める額

2 区長は、労働報酬下限額を定めようとするときは、あらかじめ、第14条第1項の荒川区公契約審議会の意見を聴かなければならない。

3 区長は、労働報酬下限額を定めたときは、これを告示するものとする。

(公契約において約定する事項)

第9条 区は、公契約の締結に当たり、第7条第1項に規定する事項のほか、別表に定める事項を約定するものとする。

(労働者等の申出)

第10条 労働者等(労働者等であった者を含む。以下この条、次条第1項並びに別表4の項及び7の項において同じ。)は、労働報酬が支払われるべき日において、支払われるべき当該労働報酬が支払われていない場合又は支払われた当該労働報酬の額が労働報酬下限額を下回る場合は、区長、受注者及び受注関係者(当該労働者等を雇用し、又は当該労働者等と第2条第4号イの契約を締結した受注関係者に限る。)に対し、その事実を申し出ることができる。

(報告、調査等)

第11条 区長は、前条の規定による申出があったとき、又は第7条第1項及び第9条の規定により約定した事項(以下「約定事項」という。)の遵守の状況を確認するため必要があると認めるときは、受注者若しくは受注関係者に対し必要な報告若しくは資料の提出を求め、又は区職員をして当該受注者若しくは受注関係者の事業所等に立ち入らせ、労働者等の労働条件が分かる書類その他の物件を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(是正の求め)

第12条 区長は、前条第1項の規定による報告、調査等の結果、受注者又は受注関係者が約定事項に違反をしていると認めるときは、受注者に対し速やかに当該違反を是正するために必要な措置をとるべきことを求めるものとする。

(公表)

第13条 区長は、別表10の項に定める事由による公契約の解除等(地方自治法第244の2第11項の規定による指定の取消し及び期間を定めた管理の業務の全部又は一部の停止の命令を含む。以下同じ。)をしたとき(当該公契約に係る契約期間の終了後又は指定管理協定により指定管理者に管理を行わせる期間の満了後に約定事項の違反が判明したときを含む。)は、その旨を公表することができる。

2 区長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該公表に係る受注者又は受注関係者に対し、意見を述べ、及び証拠を提示する機会を与えるものとする。

(公契約審議会の設置)

第14条 公契約に関する施策の適正な実施を確保するため、区長の附属機関として、荒川区公契約審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、区長の諮問に応じ、労働報酬下限額その他公契約に関し必要な事項について調査審議し、答申する。

3 審議会は、次に掲げる者のうちから、区長が委嘱する委員6人以内をもって組織する。

(1) 学識経験者 2人以内

(2) 事業者団体関係者 2人以内

(3) 労働者団体関係者 2人以内

4 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

6 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(委任)

第15条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和8年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 第6条から第13条まで及び別表の規定は、令和9年4月1日以後に締結する公契約について適用する。

(荒川区附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

3 荒川区附属機関の構成員の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年荒川区条例第22号)の一部を次のように改正する。

(次のよう略)

別表(第9条、第10条、第13条関係)

1 労働関係法令の遵守

受注者は、第2条第4号アに掲げる者に係る労働環境の整備に関し、労働基準法その他の労働関係法令の規定を遵守しなければならないこと。

2 労働者等との契約条件

受注者は、第2条第4号イに掲げる者と請負契約又は委託契約を締結しようとするときは、労働基準法その他の労働関係法令の趣旨を尊重した内容としなければならないこと。

3 労働者等の継続雇用

受注者は、継続性のある業務に関する公契約を締結するときは、当該業務に従事する労働者等の雇用の安定並びに当該業務の質の維持及び継続性の確保に配慮し、当該公契約の締結前から当該業務に従事していた労働者等のうち希望するものを雇用するよう努めること。

4 労働報酬に係る受注者の連帯責任

受注者は、受注関係者が労働者等に対して支払うべき労働報酬を支払わないとき、又は受注関係者が支払った労働報酬の額が労働報酬下限額を下回るときは、当該受注関係者と連帯して、当該労働者等に対し、当該労働報酬に相当する額又は労働報酬下限額と当該支払った労働報酬の額との差額に相当する額を支払うものとすること。

5 労働条件等の区への報告

受注者は、規則で定めるところにより、労働者等に係る労働条件に関する事項を区長に報告しなければならないこと。

6 労働者等に対する周知

受注者は、労働報酬下限額その他規則で定める事項を作業所等の労働者等が見やすい場所に掲示し、又はこれらの事項を記載した書面を労働者等に交付しなければならないこと。

7 不利益な取扱いの禁止等

受注者は、第10条の規定による申出を受けたときは、誠実に対応するとともに、当該申出をした労働者等について、当該申出をしたことを理由として、解雇、請負契約又は委託契約の解除その他の不利益な取扱いをしてはならないこと。

8 報告、調査等への対応

受注者は、第11条第1項の規定による報告、調査等に応じ、及び協力しなければならないこと。

9 約定事項の違反の是正及び報告

受注者は、第12条の規定による是正の求めを受けたときは、速やかに是正の措置を講じ、当該措置の内容を区長に報告しなければならないこと。

10 公契約の解除等

区は、受注者又は受注関係者が次のいずれかの事由に該当するときは、当該公契約の解除等をすることができるものとし、当該解除等により受注者又は受注関係者に生じた損害を賠償する責任を負わないこと。

(1) 第11条第1項の規定による報告の求めに応じず、若しくは虚偽の報告をし、又は調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

(2) 第12条の規定による求めに応じないとき。

(3) 9の項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。

11 公契約の解除等に係る損害賠償責任

受注者は、区が10の項に定める事由による公契約の解除等をした場合において、当該公契約の解除等により区に損害が生じたときは、その損害を賠償しなければならないこと。

12 公契約の解除等に係る違約金

区は、10の項に定める事由による公契約の解除等をしたときは、受注者に対し違約金の支払を求めることができること。

13 受注者と受注関係者との契約

受注者は、受注関係者と公契約に係る業務について契約を締結するときは、受注関係者においても当該受注者が遵守すべき約定事項について遵守することとなるよう、約定しなければならないこと。

荒川区公契約条例

令和8年3月19日 条例第2号

(令和8年4月1日施行)